プロヴァンスの贈りもの ・2007年8月4日公開・
運命のあなたに――。最高の恋とワインを添えて。
溢れんばかりの日差し、乾いた空気、鼻をくすぐるラヴェンダーの香り。美食家をうならせるトリュフ、オリーブ、ジビエ料理、そしてワイン――。イギリス人でありながら、南フランスのプロヴァンスに住みつき、ワイン造りを楽しみながら人生を謳歌するヘンリーおじさん(アルバート・フィリー)。少年マックス(フレディ・ハイモア)は毎年夏になると、ヘンリーの所有するシャトーとぶどう園(ラ・シロック)で、ヴァカンスを過ごすのが常だった。ヘンリーおじさんは彼にとって、人生の師と呼べる存在だった。
時は流れ負けず嫌いの少年は大人になり、ロンドンの金融界で“豪腕トレーダー”のマックス(ラッセル・クロウ)として、超多忙な日々を送っていた。ヘンリーが授けてくれた叡智と哲学のおかげで、彼は若くして頂点の一歩手前まで登りつめていた。近づいてくる女性たちは多く、贅沢な独身ライフを楽しんではいたが、彼には本当の愛が見えていなかった。
そんなマックスのもとに、10年も疎遠にしていたヘンリーがなくなったとの報せが届く。ヘンリーに最も近い血縁者ということで遺産を得ることになったマックスは、相続と売却の手続きだけを済ませたらロンドンにとんぼ返りするつもりで、20年ぶりにプロヴァンスの地を踏んだ。
レンタカーに付いていたフランス語のカーナビに戸惑いながら、携帯を片手にわき見運転するマックス。次の瞬間、自転車の女性を轢きそうになるが本人は気付かずに、マックスの車は田舎道を走り去っていった。女性は地元のレストラン“ラ・ルネッサンス”のオーナー、ファニー(マリオン・コティヤール)。鼻っ柱の強いファニーは、シャトーの前にその暴走車を見つけて、“仕返し”をしにマックスの前に現れた。それは最悪で最高の、運命の出会いだった。
シャトーに滞在するうち、楽しかった夏の日の記憶が次々とよみがえり、マックスの心はゆれる。そして何よりも彼の心を乱したのは、ファニーの存在だった。猫の手も借りたいほど忙しいファニーのレストランで助っ人にはいった彼は、ついに彼女とのデートの約束を取り付ける。デートの日、地下蔵のワインセラーで〈ル・コワン・ペルデュ=失われた片隅〉という奇妙なワインを見つけた彼は、それを手みやげに彼女の待つレタン広場へ向かった。そのワインこそ、プロヴァンスの伝説のブティック・ワインだった。
野外レストランで振りだした通り雨、大人の会話を楽しんだ後にめぐる上質なワインの酔い、流れる曲はシャルルトレネの「ブン」。ムーディな雰囲気と月夜に誘われて、ファニーはマックスのシャトーへ。どちらからともなく唇を重ねた二人は、踊るように脱ぎ、脱がし、脱ぎ捨てた。だが翌朝、「ここは僕の人生に向かない」と告げるマックス。「違うわ。あなたの人生が、ここに向かないのよ」と切り返すファニー。彼は次のことばを失ってしまう。
いくつかの難問は飛び出したものの、友人の不動産業者チャーリー(トム・ホランダ―)の協力を得て、無事、シャトーとぶどう園の遺産売却を終えたマックスに、ロンドンへ戻る日が来る。惹かれあいながらもマックスとファニーは、人生の価値観の違いから別々の路を歩みはじめようとするのだが、プロヴァンスでの幾つもの贈りものが、彼をっ変えようとしていた…。
監督:リドリー・スコット
原作:ピーター・メイル
脚本:マーク・クライン
製作総指揮:ブランコ・ラスティグ ジュリー・ペイン リサ・エルジー
撮影監督:フィリップ・スール
美術:ソーニャ・クラウス
編集:ドディ・ドーン
音楽:マーク・シュトレイテンフェルド
出演:ラッセル・クロウ マリオン・コティヤール アルバート・フィニー フレディ・ハイモア アビーコーニッシュ トム・ホランダー ディディエ・ブルドン イザベル・カンディエ ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ