アウェイ・フロム・ハー 君を想う ・2008年05月31日公開・
結婚いしてから44年いなるグラントとフィオーナはお互いを深く愛し、肉体的にも精神的にも満ち足りた生活を送っていた。二人の出会いはグラントが大学手神話学を教えていたときにさかのぼる。フィオーナは彼の教え子のひとりで、彼女が18歳のときに結婚したのだ。20年前に教授職を辞したグラントは、フィオーナとその後にアイスランドから移住してきた彼女の祖父が立てたオンタリオ湖沿いの家で暮らしていた。老夫婦は春には近くの自然保護区域を散歩し、雪の季節にはクロスカントリー・スキーを楽しむのは常だ。二人仲良くキッチンに立ち、夕食を済ませた後はグラントがフィオーナに小説を朗読し、夜が更けていく。お互いを思いやる温かさと笑いに満ちた生活にしかし、不調和が生じ始める。フィオーナにはアルツハイマー型認知症の影がしのび寄っており、洗い終わったフライパンを冷蔵庫にしまったり、友人夫婦を招いた夕食の席でワインが何か忘れてしまったり。そんなフィオーナをグラントは辛抱強く見守り、彼女の失敗を訂正し続けていた。
ある夕方、ひとりでクロスカントリー・スキーに出かけたフィオーナは、自身がどこにいるのかさえわからなくなる。夜になり、妻がいなくなったことに気づいたグラントが失しに捜索し、惚けた表情で道端にたたずむフィオーナを発見する。大事に至らなかったものの、病気を無視しておけないことに気づいたフィオーナは老人介護施設メドウレイクへ入所することを自ら決断する。施設を事前に見学したグラントは主任のモンペリエから「施設に馴染む入所後30日間は面会も電話連絡も禁止」というルールを知らされ、フィオーナの入所を躊躇するが、彼女の意思は変わらなかった。施設へ向かう途中、自然保護区域を通りかかったフィオーナは前春に見た水芭蕉のことを思い出す。と同時に、忘れたくても忘れられない若い思い出を思い出を口にする。大学教授時代のグラントは、若く美しい女子大生と何度も浮気をしていたのだ。グラントと別れてくれなければ自殺するとフィオーナを脅した少女のことを若々しく語る彼女の厳しい口調にグラントは沈黙するしかなかった。
1ヵ月後、面会を許されたグラントは、フィオーナが自分のことをまったく覚えておらず、車椅子に乗った男性オーブリーを非常に気にかけていることを知る。そんなグラントの気持ちも知らないフィオーナは、オーブリーは祖父がよく買い物をしていた金物屋でバイトをしていた青年で、彼女の初恋の相手だったとグラントに伝える。記憶の混濁か、真実か? 愛妻に思い出してもらおうと施設を日参するグラントだが、フィオーナとオーブリーの間に芽生えた愛情が日増しに深まっていくのを目撃し、いたたまれない気持ちになる。ベッド横の壁にオーブリーが描いたフィオーナの肖像画が貼られているのを見て、やるせなさが増すばかりだった。グラントの献身ぶりに心を打たれた看護師クリスティは、彼を温かく励ます。率直で明るいクリスティに相談するうち、グラントはフィオーナのオーブリーに対する愛情は自分に対する罰なのではないかと語る。夫婦円満に見える夫妻だったが、グラントにはフィオーナに対する負い目があると考えるだけの理由があったのだ。
そんなある日、オーブリーの妻マリアンが休暇から戻ると同時に夫を自宅に連れ帰ってしまう。オーブリーと離れ離れにさせられ深く落ち込むフィオーナはベッドに寝たきりとなる。このままでは彼女の要介護レベルが上がり、命すら危うくなると心配したグラントは、マリアンを訪ねる。グラントが夫オーブリーを責めに来たと身構えるマリアンだったが、グラントは意外な提案を口にし……。
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監督・脚本:サラ・ポーリー
製作:ダニエル・アイロン/シモーン・アードル/ジェニファー・ワイス
製作総指揮:アトム・エゴヤン/ダブ・マンコフ
撮影:リュック・モンペリエ
美術:キャスクリーン・クリミー
衣装:デブラ・ハンソン
出演:ジュリー・クリスティ/ゴードン・ビンセント/オリンビア・デュカキス/クリステン・トムソン/マイケル・マフィー/ウェンディ・クルーソン