映画ブロイラー

7月 13, 2007

Screaming masterpiece ・2007年7月7日公開・

Filed under: 洋画 — kuro @ 1:55 pm

 北大西洋の海に囲まれ、氷に覆われた大地アイスランド。北海道と四国を合わせたほどの国土に、人口わずか30万人が住むその島には、音楽学校が90校あり、合唱団員は6000人、オーケストラは400を数え、バンドやDJは数知れず……。
 これまであまり知られることのなかった、多種多様なアイスランドの音楽シーンを描き出すドキュメンタリーが誕生した。アイスランドの首都レイキャヴィークを中心に、ビョークやシガー・ロスといった世界的アーティストから、日本ではあまり紹介されることのないインディーズミュージシャンまで、生のアイスランドの音楽が登場し、私たちを魅了する。
 自然を愛し、詩を愛するアイスランドの人々。北極圏に近い小国から、これほどまでに多様なミュージシャンが生まれるに至った背景には何があるのか。そして何が彼らうぃ音楽に向かわせているのか――。

 果てしなく続く氷壁、雪に覆われた岩山、冷たく光る海。幻想的で美しい風景と、ビョ―ク、シガー・ロス、ムーム、カラシといったアーティストの、世界各地でのライブ映像やインタビューが交錯する。古代史を詠唱するパフォーマンスでシガー・ロスとも共演しているベガン教の司教ヒルマール・オゥルン・ヒルマルソンが、音楽と詩について語り、アイスランドの著名な映画監督フリードリク・トール・フリドリクソンが、自身が監督した記録映画『ロック・イン・レイキャヴィーク』と当時のシーンを語る。シュガーキューブス時代のビョ―クの映像や、カラシの東京でのライブ映像も貴重だ。さらに見逃せないのが、個性豊かなミュージシャンの数々。ミュージックボックス(オルゴール)などユニークな楽器を用いるバンド、ストリングスにストーンハーブ(石のハーブ)などを加えた大編成バンド、エレクトロニカ、さらにはラップまで、登場する音楽は多岐にわたる。田舎町で結成された少年たちのバンドが、フー・ファイターズが共演するなど、にわかに信じがたい光景も、ここではあり得ることなのだ。
 アイスランドのミュージシャンたちは、ジャズやパンクなど、あらゆる音楽を取り入れては、独創的な自分たちの音楽を生み出してきた。それはまた、地理的にも文化的にもヨーロッパとアメリカの中間に位置し、北欧やケルトなどさまざまな文化の影響を受けながら、独自の文化を築いてきたアイスランドの豊かさでもある。
 監督したのは、母国アイスランドでドキュメンタリー映画制作を続けるアリ・アレクサンダー&イルギス・マグヌッソン。
 アイスランドの火山のように熱く爆発的なエネルギーと、氷河のようにクールで神秘的なサウンドに彩られた奇跡の音楽を、観客はスクリーンで体感するのだ!

このドキュメンタリーには、登場するアーティストやバンドのストーリーを組み込んでいる。スタジオやコンサート会場など、彼らの活動の現場を追い、彼らの視点や考えに密着する。それぞれのストーリーごとにテーマがあり、コンサートの開演や曲のリリースなどで盛り上がりを迎えるようになっている。注目に値するのは、ヒルマール・オゥルンとステインドール・アンデルセンが中世の伝統的な物語をベースにした作品の大がかりなプロデュースを手がける部分だ。ベースとなるのは、運命の女神ノルンが人間界のさまざまな血まみれの人生を織り成す11世紀の詩である。このプロジェクトに対するアーティストの関心は高いという。アーティストたちの多くは、ステインドール・アンデルセンやヒルマール・オゥルンとともに活動した経験がある。ヒルマール・オゥルンは、アイスランドで前衛的なポップ・シーンのパイオニア的存在だ。ほぼすべてのバンドが彼らの影響を受け、何らかの形で彼のサポートを受けている。この2人アーティストと彼らが手がけるプロジェクトが中心的なストーリーとなり、それを取り巻くようにその他のストーリーが組み込まれているのである。

監督・製作・脚本:アリ・アレクサンダー&イルギス・マグヌッソン
プロデューサー:シグルヨン・シグヴァトソン
音楽:ソール・エルドン
音楽デザイン:キャルタン・キャルタルソン
出演:ビョ―ク シガー・ロス ムーム カラシ フー・ファイターズ

Screaming masterpiece 公式サイトへ

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