フリーダム・ライターズ ・2007年7月21日公開・
ロス暴動から2年後の1994年、ロサンゼルス群ロングビーチ。
様々な人種が通うウィルソン高校では、登校も下校も命がけだ。カリフォルニアの青い空など、見上げている余裕はない。「ロングビーチでは肌の色がすべて。浅黒いか、黄色か、黒か。一歩外の出たら戦場なの」学校に着いても問題は同じ。みな肌の色どとに徒党を組み、人種間の憎しみをむき出しにする。バッグには銃かナイフ。誰もが18歳まで生きられれば、十分だと思っていた。
そんな203教室に理想に燃えた国語教師がやって来る。彼女の名はエリン・グルーウェル、23歳。弁護士になるはずが、「法廷で子供を弁護するのでは遅過ぎる。教室で子供を救うべきだ」と教師になった変り種だ。しかし支配階級である白人の女教師など、生徒たちには別世界の住人でしかない。彼らの拒絶にショックを受けつつも、エリンは夫スコット(パトリック・デンプシー)に支えられ、詩の教材にラップを取り入れるなど努力を重ねていく。
ある日の授業中、ラティーノのティコ(ガブリエル。チャヴァリア)が黒人のジャマル(ディーンス・ワイアット)を馬鹿にした絵を描いた。「こんな絵を博物館で見たことがあるわ。黒人とユダヤ人は下等だとね」――エリンは、第二次大戦にホロコーストがこうした差別から生まれたことを説明する。だが驚いたことに、生徒たちはホロコーストも、[アンネの日記]のことも知らなかった。銃で狙われた経験はあるというのに・・・。教育の大切さを改めて実感したエリンは、教材として[アンネの日記]を読ませようとするが、キャンベル教科長(イメルダ・スタウントン)に予算の無駄だと拒絶されてしまう。
「あの子たちに知的興味を持たせるなんて無理よ」
次の授業で203教室に配られたのは、日記帳だった。「今思うこと、未来のこと、過去のこと。何でもいいから毎日書いて。そして読んでほしいときは棚に入れて」―最初に日記を書いたのは、おとなしいブランティーだった。徐々に、生徒たちは日記帳に本音を綴るようになってくる。「16歳で葬儀屋より多くの死体を見た」「難民キャンプで父は人が変わった。母や私を傷つけるようになった」「俺のダチはストリートの兵士だ」「銃を突きつけられると体が震える」――生々しい言葉の数々。兄は服役中で、母からも見放されているマーカス。カンボジア移民のシンディ。誰もが出口のない日々を送っていた。彼らの言葉に心揺さぶられたエリンは、本を買ってあげたい、とデパートでパートを始め、さらに週末はホテルでも働き始める。
数週間後、エリンはパートで貯めたお金で生徒全員にホロコースト博物館へと連れて行く。父スティーブ(スコット・グレン)も渋々ながら運転手を務めてくれた。ホロコーストの生存者に対面した生徒たちは、生への、そして知への欲求を高めていく。「彼らのことを忘れない。すべてミスGのおかげだ」
夏休みがあけ、全員がなんとか2年に進級。目立たなかったミゲル(アントニオ・ガルシア)が日記を朗読する。貧しいミゲル母子はアパートから追い出されていた。「家もお金もなにのに、なぜ学校に行くのか? 服もボロボロで笑われると思ったけど、クラスのみんながいると気づいた。そしてグルーウェル先生が希望を与えてくれた。ここが僕の家なんだ。203教室が一つになった瞬間だった。
だがエリンの熱意が高じるにつれ、キャンベル先生ら学校側との対立が深まり、スコットとも距離が生じていく。さらにはコンビニ銃撃事件で、エパが目撃者となり黒人性とのグラントが逮捕されてしまう。だが服役中の父親の言いつけで、エパは仲間をかばっていた。「重荷は全部私が背負うの…?」逆風が吹く中、203教室の生徒たちとエリンは、無事卒業の日を迎えることが出来るのだろうか。
監督・脚本:リチャード・ラグラヴェネーズ
製作:ステイシー・シェア マイケル・ジャンバーグ
プロダクション・デザイン:ローレンス・ベネット
衣装デザイン:シンディ・エパンス
音楽:マーク・アイシャム ウィル・アイ・アム
音楽監修:マリー・ラモス
出演:ヒラリー・スワンク イメルダ・スタウントン パトリック・デンプシー スコット・グレン マリオ