ドイツ、ブレーメン。
十数年前に妻を亡くし、定年も迎えたアリは、同じトルコ出身の娼婦イェテルと出会い、月々の手当を払うかわりに、一緒に暮らしてくれるよう依頼する。ハンブルクの大学で教授を務める一人息子のネジャットは、金に物言わせようという父のやり方をあまり良くは思っていない。だが、イェテルが娼婦として稼いだ金の大半を、トルコで大学に通っている娘の教育費として送金しているのを知り、気のいいイェテルが好きになる。
しかし、突然訪れるイェテルの死によって、父と息子の距離は、心理的にも、物理的にもさらに遠くなる。ネジャットはイスタンブールに渡り、イェテルがトルコに残してきた娘、アイテンを探す。トルコにとどまることを決意した彼は、ドイツに帰るという男からドイツ語専門書店を買い取るが、政治活動家のアイテンは、トルコを逃れ、すでにドイツに渡っていた。
ひとりぼっちで一文無しのアイテンは、ドイツ人学生ロッテと知り合う。ロッテはすぐに、女性としてのアイテンと、彼女の置かれた政治的状況に惹かれ、彼女を家に連れ込むが、保守的な母親スザンヌと反抗的な態度のアイテンはしばしば衝突する羽目に。
そんなある日、アイテンは逮捕され、政治的亡命の許可を待つ数ヶ月間、収容されることになる。しかし申請は却下され、アイテンはトルコに強制送還の後、投獄される。激情に駆られたロッテはすべてを捨てて、アイテンを助けようと決意しイスタンブールへと渡る。
ドイツ、トルコ――2000キロに渡って、3組の親子の運命がからみあってゆく――。
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監督・脚本:ファティ・アキン
撮影:ライナー・クラウスマン
音楽:シャンテル
出演:バーキ・ダヴラク/ハンナ・シグラ/トゥンジェル・クルティズ/ヌルセル・キョセ/ほか
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―ムーラン・ルージュの元ダンサー、ピエールは心臓病で余命わずかだと告げられる。助かる方法は心臓移植しかなく成功率は40%。彼は移植提供者を待つ日々を静かに過ごすことを選ぶ。
―弟を案じ同居を始めるエリーズ。ソーシャルワーカーとして働きながら3人の子供を育てる彼女にとって日々はせわしなく、ただ過ぎていくもの。もう若くないと人生を楽しむことを諦める姉に「生きているんだ。人生を謳歌しなければ」とピエールは言う。そして、ピエールの今の一番の楽しみはアパルトマンのベランダからパリの街を行き交う人々を眺めることだ。
—歴史学者の第一人者ロランは、歴史を探究することに意味を見いだせなくなり、憂鬱な日々を過ごしていた。そんな時ソルボンヌで彼の講義を受ける、レティシアに年甲斐もなく恋をしてしまう。彼は、「君は美しい」と匿名のメールをカフェから送り続ける。
—ピエールの向かいのアパルトマンに住む美しいソルボンヌの大学生レティシアは、匿名のメールがロランだということがわかり最初は腹を立てるが彼を受け入れ関係を持つ。同時に同級生とも関係を持つ彼女は、なぜ自分はそうするのかを悩むこともなく、ただ日々を過ごしているだけ。
—ロランの弟フィリップは建築家で、今は左岸の開発地域での設計に取り組んでおり、間もなく子供が生まれる予定。自分では幸せな人生だと思っていた。しかし、兄から「お前はあまりにも普通すぎる!」と言われ悩んでいる。
—元夫婦のジャンとカロリーヌは、離婚後も同じマルシェで働いている。ジャンはいつも買い物に来るエリーズに好意を寄せ、カロリーヌは同じマルシェで店を構えるジャンの仲間といい関係になるが、お互いのことがまだ少し気になっている。
—ピエールが通うベルヴィルの街角のパン屋の女主人はいつも文句ばかり。従業員の働きぶりを出身地で決め付け、すぐにクビにしてしまう。
—カメルーンにいるブノワは、兄を頼りにパリに不法入国するつもりだ。彼は、カメルーンにバカンスで来ていたマルジョレーヌに再会することを楽しみにしている。
—華やかなファッション業界で働くマルジョレーヌ。毎日を気楽に謳歌する彼女には、ブノワの命がけの出国は遠いお話しだ。
パリという街の中で、一見接点のない彼らの日々が静かに交差している。そして、死を意識しはじめたピエールには、アパルトマンのベランダから垣間見る、街中で営まれている彼らの日常が突如として意味を持ち始めるのだった。様々な哀しみや喜びをそれぞれが抱えていて、たとえ彼らの問題が些細であっても、本人にとっては世界で一番重要な事柄なのだということに気づいていく。
姉にアパートの玄関で別れを告げ、最期の場所となるかもしれない病院へと向かうタクシーの中、ピエールにはパリの街と人々がとても愛しいものに感じる。そして、今、彼の目に映っているのは、陽光に満ちあふれたパリの空−
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監督・脚本:セドリック・クラピッシュ
出演:ジュリエット・ビノシュ/ロマン・デュリス/ファブリス・ルキーニ/アルベール・デュポンテル/ほか
公式サイト
東京で芸能人をやってみたが鳴かず飛ばず。マネージャーと結婚して即離婚。三十路半ば、バツイチ出戻り、実家の神社で家事手伝いのノブ子(通称ノン子)。父親は頭ごなしに怒鳴り、母親は腫れものにさわるよう。しかし、結婚して娘もいる妹はこれ見よがしに「このヒト、終わってる」と痛烈だ。
逃げる場所も飛びたち基地もない、せまくて古ぼけた田舎町で、ママチャリに乗って、バツイチ女友だちが経営するスナックで酒を飲むのがせめてのお出かけ。オシャレもセックスも、いつしたかもう分からない。
そんなやる気なしのノン子の前に、神社の祭りでヒヨコを売ってひとやま当てようという若者、マサルが現れた。ノン子は露天商を仕切る安川の家にマサルを連れていくはめになる。
世間知らずで、情けないけど、ひたすら一途で真っ直ぐな年下クンに、笑顔を忘れたオンナが、閉ざしていた心を少しずつ聞いていくが、別れた前夫・宇田川が現れた。
ノン子の心は揺れ始める
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監督:熊切和嘉
脚本:宇治田隆史
撮影:近藤龍人
照明:藤井勇
録音:吉田憲義
美術:古積弘二
編集:堀善介
音楽:赤犬
出演:坂井真紀/星野源/鶴見辰吾/津田寛治/ほか
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チェチェン共和国、グロズヌイのロシア軍駐屯地。荒涼とした大地にテントが並び、熱気と埃と臭気が立ち込めている。装甲車や兵士が慌ただしく行き交い、上空にはヘリコプターが舞う。80才のアレクサンドラは孫のデニスに会うため、はるばる最前線の戦場にまでやって来た。だが、職業軍人である彼は“人を殺す”ことが仕事だ。「破壊ばかりで、建設はいつ学ぶの?」と深い溜息と共に上官に問うアレクサンドラ。そんな彼女は近くの市場に出かけた時、ロシア語の堪能なチェチェン人女性マリカと親しくなる…
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脚本・監督:アレクサンドル・ソクーロフ
撮影監督:アレクサンドル・ブーロフ
音楽:アンドレイ・シグレ
製作美術:ドミトリー・マーリチ・コニコーフ
衣装デザイナー:リディア・クリュコワ
メイクアップ・アーティスト:ジャンナ・ロディオーノワ
録音プロデューサー:ウラジーミル・ペルソフ
編集:セルゲイ・イワノフ
カメラマン:アレクサンドル・マズール
製作総指揮:ドミトリー・ゲルバチェフスキー
共同製作者:ロラン・ダニエール
製作:アンドレイ・シグレ
出演:ガリーナ・ヴィシネフスカヤ/ほか
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君が死にたくなったときは、きっと僕が殺してあげるよ。
人間の残酷な面に異常なほどに興味を抱く2人の高校生、神山樹と森野夜。
他人からは到底理解され難い嗜好を持つ2人は次第に心通わせ、惹かれあってゆく……。
そんなある日、変わり者だけが集うという喫茶店で森野が拾った一冊の手帳―。そこには最近多発している猟奇殺人の一部始終が事細かに記されていた。「まだ発見されていない犠牲者に会いにいこう。」
森野は神山を誘う。そして現場を見つけた彼女は次に犯人に接触すべく、犠牲者とそっくりな格好で手帳を拾った喫茶店に入ってゆく。そして森野の死体を夢見る神山は彼女の禁断の過去へ遡る―。
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監督:高橋玄
作劇:柏田道夫/高橋玄/堀田尚志/斉藤翠/Gram
撮影:釘宮慎治
照明:田辺浩
録音:岩丸恒
美術:安宅紀史
プロデューサー:上野境介
出演:本郷奏多/高梨臨/長塚圭史/松尾敏伸/ほか
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なれた手つきで教会をかたどったケーキを作る一人の女性、ケテヴァン。
傍らに腰掛けていた男が、新聞を広げて叫んだ。
「素晴らしい人が亡くなった」
ケテヴァンが新聞を覗き込むと、そこには満面の笑みをたたえる一人の男の写真が載っていた。
ヴァルラム・アラヴィゼ。その男の名前だケテヴァンが幼かった頃から、市長であり、偉人として崇められていた人物。ケテヴァンは男の写真に見入りながら、自分の過去とともに、繰り返し念じていたことを思い起こす。
ヴァルラムの葬儀が行なわれている。葬儀には多くの人が参列し、ヴァルラムの息子アベルは多くの人から父をたたえる言葉をかけられ、無事終わった。
翌朝、アベルは妻の叫び声で目を覚ます。何事かと庭へ飛び出すと、そこには墓から掘り起こされたヴァルラムの遺体があった。使者を辱める行為に狼狽するアベル。ヴァルラムの墓が暴かれる事件はその後2度続いた。そのために墓はアベルとその息子トルニケ、そして警察によって厳重に監視された。しばらくして轟く銃声。トルニケが発した弾が犯人の肩に命中、取り押さえられた犯人はケテヴァンだった。
法廷にケテヴァンは自信にみちた姿で現れ、自らの行為を認めつつも、掘り起こしたことは罪ではないと主張し、こう続けた。
「私が生きている限り墓地で眠らせません。誰にも邪魔させません。こうなることが私と彼の運命なのです」。「私の目的は彼に対する復讐ではありません。ヴァルラムは私にとって忘れ得ぬ不幸と苦悩の源泉なのです」と。
そしてケテヴァンはまっすぐ前を見据え、心の奥底に封印していた過去を語り始めた。それは巨大な権力に翻弄される人々の苦難な道のりであり、当時8歳だった少女ケテヴァンが見た歴史の悲劇だった…。
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監督:テンギズ・アブラゼ
撮影:ミヘイル・アグラノヴィチ
美術:ギオルギ・ミケラゼ
出演:ゼイナブ・ボツヴァゼ/アフタンディル・マハラゼ/エディシル・ギオルコビアニ/ケテヴァン・アブラゼ/ほか
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人気劇団の脚本家として働くドラ。昔の友人は結婚し、子供までいる。焦りを感じながらもいよいよ弁護士の恋人と甘い結婚生活まで秒読み・・・のはずだった。ある日、その恋人に妻子がいることが発覚!裸のまま部屋を追い出され、助けてくれた隣の部屋の男はにやにやしてるし・・・心を落ち着けるためにヨガに励むも、頭の中をよぎるのは、幸せな結婚、そして幸せな家庭と自分にはないものばかり。
仕事に行けば、なんと昨日の男タマスが客演の俳優だと判明、TVCMでタトゥー入りのお尻を披露し話題になっているプレイボーイで有名な男だ。
劇団の看板女優で、恋愛依存症の親友ゾフィは「私が彼なら誰とでも寝る」なんて言っている。劇団のピアニストのピーターは優しいけれど情熱的ではなく、ちょっと物足りない。行きつけのカフェで働くアリは熱列アピールしてくれるけど、知性は期待できないし、故郷のトルコに帰ってしまうという。
・・・もうオトコには期待しない!でもさみしい。愛されたい。
・・・そうだ、子供が欲しい!
精子バンクの内情を知り挫折したドラはゾフィと二人、ある作戦を思いつく。インターネットを使ってこんな広告を出すことに――「セックス・パートナー求む。ただしセックスだけ、それ以上お断り(Just sex, and nothing else)」。
広告の効果あって、かなりの数の男が集まってきた。ゾフィと一緒にカフェでお見合いを敢行。しかし・・・
「君のオムツを替えたい!」「ムショ帰りなんだ」「僕を奴隷にしてください!」「手術すれば使えるよ」などとんでもない男(と女)だらけ。
「父親はいらない。子供だけ欲しい!」ひたすらに幸せを求めて奔走するドラの奮闘によって、事態は意外な展開に・・・
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監督:クリスティナ・ゴダ
出演:ユーディト・シェル/カタ・ドボー/シャーンドル・チャンニ/ゾルターン・セレス/ほか
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ある日、銀行で働いている茉莉亜(柳沢なな)が仕事から帰ると、
アパートのごみ置き場に、ピアノのようなエレクトーンのような楽器が
捨ててあった。
惹かれるように、その不思議な楽器を部屋に持ち帰る。
鍵を見つけ開くと、“ダルシトーン”と記されていた。
ダルシトーンとの出会いから、弟・七海(佐藤考哲)と同じ不思議な
夢を見たり、同じ会社に勤務する先輩の榊(松田悟志)に
告白されたり、“運命の人”と信じていた元カレ(篠田光亮)と
再会したりと、導かれるように茉莉亜の運命が動きだしていく。
亡くなった母の最期の言葉
≪茉莉亜にも必ず運命の人と出会うことができる。≫
大切な人を失い、深い傷を負っている茉莉亜にとって、
“運命の人”とは・・・。
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原作:井上香織「やさしい旋律」
監督・脚本:KAZUTAKA
製作:山田浩貴 相澤正久
プロデューサー:太代眞裕/森俊雄
アソシエイトプロデューサー:辻本好二
ラインプロデューサー:望月正仁
アシスタントプロデューサー:呉尚美
撮影:KAZUTAKA
照明:TAKATOSHI
録音:KHO
美術・衣装:SHIN
音楽:櫻間絹子
主題歌:JYONGRI「Blue Destiny」
出演:柳沢なな/松田悟志/篠田光亮/立花彩野/塚本高史/ほか
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第一次世界大戦の2年目、1916年。カイロの英陸軍司令部に勤務するロレンスは折あるごとにアラビア勤務を司令官のマレイ将軍に申請していた。当時、英国の敵ドイツはアラビアに勢力を持つトルコと同盟を結んでいた。情報部アラブ局長のドライデンはトルコに対して反乱を起こそうとしていたアラビア遊牧民のベドウィン族を援助する方針を固めていた。そしてこの反乱がドイツ、トルコの同盟に楔を打ちこむ役割を果すものと考え、その任にあたる適任者にロレンスを推していた。前身が考古学者のロレンスはアラビア情勢に詳しく、トルコの圧政に苦しむアラビア人に深く同情していた。
司令官から3ヵ月の休暇を得てロレンスは反乱軍の指導者フェイサル王子の陣営に向かって旅立った。途中、ハリト族の族長、大守アリ・イブン・エル・カリッシュに出会った。アリはフェイサルと心を同じくし、アラブ民族の自由と独立のため闘っている砂漠の闘士だった。フェイサルの陣営近くまでくると、突如、2機のトルコ戦闘機が陣営を襲った。反乱軍は大混乱に陥った。フェイサルは徒に剣をふりまわして全軍を叱咤するばかりだった。ロレンスは近代武力の前に反乱軍の無力さをまざまざと見せつけられたのだった。
その夜、フェイサルの幕舎で反乱軍の建直しについて、フェイサルの参謀格である英軍の連絡将校ブライトン中佐が、反乱軍は一時撤退し、英軍の指導によって近代化されねばならないと進言した。フェイサルを訪れたアリはこの意見に反対した。フェイサルに意見を求められたロレンスは近代戦法より、ゲリラ戦法を採るほうがベドウィンには適していると進言した。しかし結論はでなかった。
ロレンスには考えがあった。その計画をアリに打ち明けた。難攻不落といわれるアカバを攻撃すべきだ。数門の巨砲をはじめ防衛の主力は海に向けられているが、無防備に近い背後をつけばよいのだと。
だがその前には越すことが不可能とされているネフド砂漠がひろがっている。さらに砂漠を越えても、トルコと協調し、金のためにはなんでもするハウェイタット族がいる。アリは驚いた。しかし、ロレンスの戦略家としての才知と意志力には敬服させられた。
ロレンスとアリの部隊は進撃を開始した。乏しい水、灼熱の太陽と闘いながら、1,500の隊列はアカバを目ざした。ハウェイタットの領地近くに着いたときは人もラクダも披露困憊の極に達していた。
その夜、ハウェイタット族の族長アウダ・アブ・タイの幕舎でロレンスとアリはアラブ民族の団結を説いた。アウダはそれを一笑に付したが、アカバに黄金があると聞き、一緒に向かうことになった。ロレンスを陣頭に数千のラクダ隊はアカバへなだれ込んだ。背後から不意を突かれたトルコ軍はなす術なく敗走した。町は黄金を求めるアウダの手で焼かれた。だが黄金は見つからなかった。
ロレンスは10日以内に5,000ギニー持ってくるとアウダに約束し、アカバ占領の報告をかねてカイロに戻った。カイロには後任のアレンビー将軍が着任していた。アレンビーはエルサレムへ進撃する英軍の右翼にロレンスの部隊を使おうと考えていた。そして金でも銃でも大砲以外は全て与えると約束した。
ロレンスは少佐に昇進し、再び砂漠へ向かった。ロレンスはさまざまな戦略を用いトルコ軍を打ち破り続けた。ベドウィン族は彼を戦いの神のように崇拝した。
だが彼らはアラブ統一より略奪に専念し、略奪を終えると次第に去り、残るは170名だけになっていった。
カイロに戻ったロレンスは司令部にフェイサルを見つけ、ロレンスの意志に反して、アラブとトルコの土地を英、仏両国間で分割するというサイクス―ピコ条約が締結されているのを知り、激しい怒りがわきおこった。だが将軍は英軍のダマスカス攻撃のさい、側面攻撃をかける反乱軍が、英軍より先に到着したら反乱軍の占領地はすべてアラビア人に与えようという案を出した。ロレンスは妥協せざるをえなかった。
数千のベドウィンは歓呼して英雄を迎え、ダマスカスへの急進撃が開始された。戦いは激烈をきわめたが、ついに英軍より先に占領することができ、民衆は狂喜してロレンスを迎えた。
ロレンスはこの町に軍政をひき新しい政治を始めようとしていた。しかし、アラビア人は自己の種族の利益ばかりを主張し、ロレンスの努力は空まわりするばかりだった。そして彼らは略奪品を持ちダマスカスを去っていくのだった。
ロレンスは今やすべてを失ってしまった。彼の前には荒漠たる砂が果てしなく続くばかりであった。
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監督:デヴィッド・リーン
音楽:モーリス・ジャール
プリデューサー:サム・スピーゲル
出演:ピーター・オトゥール/オマー・シャリフ/アレック・ギネス/アンソニー・クイン/ほか
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山岳地帯の上空。航空自衛隊、航空救難団小松救難隊の高性能ヘリUH-60Jを操縦する、23歳の川島遥風。彼女はかつて母の命を救ってくれた救難団に憧れ、救難ヘリの新人パイロットとして訓練の途上にあった。サバイバー(要救助者)を収容後、高度を上げようとした彼女は、一瞬、操縦を誤り、機体を激しく揺らす。「アイ・ハブ・コントロール!」怒号とともに操縦を代わる隊長・菊田2佐…。
それは、命をおとすことさえある厳しい訓練だった。小松基地に悄然と降りた遥風を、腕組みして見つめる飛行班長・3佐の鷹栖美那がいた。遥風への不信感を露にする同乗のメディック(救難員)の瀬南。「訓練中に墜落しそこなったんだって?」と、からかい半分で励ます戦闘機F-15パイロットの横須賀。救難ヘリ初の女性操縦士の存在は、良くも悪くも基地中の注目の的だった。
数日後、嵐の海で漁船・第十五伊勢丸が座礁した。遥風の初の実任務が始まった。先発の救難捜索機U-125Aの美那から、漁船の正確な位置が伝えられ、遥風はUH-60Jの副操縦席で漁船へのアプローチ開始を告げる。慎重にヘリを船上へと近づける機長の早稲田。大波に翻弄される漁船。林立するマストやアンテナに串刺しになる危険をかいくぐり、メディックの柿崎は、ホイスト(ケーブル巻上げ)で船に降り、漁師たちをケーブルでつり上げてゆく。だが、最後の1名を捜索中、UHの燃料は限界に達し、無念にもミッションは中止された。その時、眼下で甲板に油まみれの男が這い出す!「もう一度、アプローチしてください!」遥風は早稲田に懇願する。だが、それはヘリを燃料切れで墜落に追いやることを意味する。早稲田が「黙れ!」と一喝したその時、高波が、男の姿をさらった…。
翌日。格納庫で膝を抱えて落ち込む遥風に、瀬南は、阪神大震災で妹を死なせてしまったこと、だが感傷や憧れで救難をやってはいけないことを語る。瀬南の優しさと仲間意識を初めて感じ、微笑む遥風。
半月後、強風の剱岳には、サバイバーを救出し、ホイストでつり上げられた瀬南がいた。操縦士は織田1尉。突然の突風に、UH-60Jがバランスを崩し、瀬南は、サバイバーをかばって背中から岩に叩き付けられた…。
空自の戦闘機パイロットから救難ヘリに配置転換させられた“F転”の織田は、この事故で自分を責めて孤立する。機付長(整備責任者)の碧も、命を預かる重圧に押しつぶされそうになっていた。
横須賀は、自分のバイクを直してもらうことで、“整備員”碧をさり気なく励ます。走り出す2人のバイクの脇に、爆音とともに遥風のUHが並ぶ。碧は、皆の友情が嬉しく、黙々と整備の仕事を再開する。それを見つめ、ひとりではなく、仲間と共に命を背負うことの意味を初めて感じる織田。
そんな時、遥風が離島から緊急搬送し、手術も成功したはずの少女・彩が病院で急死した。彩からの感謝の手紙を握りしめ、遥風は嗚咽を止められない。救えない辛さを乗り越えようとする彼女を、黙って見守る菊田。実は、彼にも、パイロットだった美那の父を燃料切れで救えなかった過去があった…。
一ヶ月後、瀬南の現場復帰、横須賀と碧の婚約という明るい話題に部隊は沸く。その数日後、小松救難隊に非常ベルが鳴り響く。横須賀1尉が操縦する306飛行機F-15Jがレーダーから消えたのだ!
ただちに、捜索のため、美那のU-125Aが発進した。だが、基地に待機中のUH-60Jはトラブルで飛ぶことができず、新潟から増強を待つ時間的余裕もない。横須賀救出は、貨物船火災で出動中の2機のうち、サバイバーを乗せていない、遥風が搭載するUHに託された。
「アイ・ハブ・コントロール」。船尾の爆発で負傷した機長の織田に代わり、遥風が操縦桿を握る。頷く織田、気合を入れる瀬南。だが、捜索は困難を極めた。横須賀の有効意識時間は、もう残り僅か。その時、U-125Aから横須賀発見のメーカーが投下された。遥風が、今まさに救出を開始しようとしたその時、UH-60Jの残燃料は残酷にもリミットを示す…。小松基地で、コックピットで、重い沈黙が流れる。「川島、戻れ。お前は皆の命を預かっている。このままでは機内の全員が遭難する…」基地の菊田の苦渋の声。
しかし「救いたい!」という遥風の強い思いは、織田にも瀬南にも、父を同じ状況で亡くした美那にも、基地で祈る碧や他の仲間にも、さらには菊田にも、共通のものだった。遥風は、皆の心を背負い、パイロットとしての誇りを胸に、ある命懸けのミッションに突き進む…。
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監督:手塚昌明
出演:高山侑子/三浦友和/木村佳乃/中村雅俊/井坂俊哉/渡辺大
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13歳から己の腕だけを頼りに死と背中合わせの戦場を生き抜いてきた剣士アラトリステ。
戦士した友との誓いを守るため、戦場からマドリードに戻り、彼の息子を引き取る。
そんな折、「イギリスから来た異端者ふたりを殺せ」という奇妙な依頼が舞い込む。
そこには、スペイン国王をも巻き込む宮廷の謀略が隠されていた。
剣に生きる誇り、共に戦う仲間たちへの忠義、そして愛する女性、マリアへの秘めた想い……。
すべてを胸におさめ、アラトリステは再び激しい戦いへと身を投じる。
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監督:アグスティン・ディアス・ヤネス
出演:ヴィゴ・モーテンセン/エドゥアルド・ノリエガ/ウナクス・ウガルデ/ハビエル・カルマ/ほか
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東京――ある日の午後。
震度5の地震が発生した。
数日後……首都圏は平穏を取り戻し――元ハイパーレスキュー篠原祐司の一家にも、いつもの平穏が訪れていた。
しかし、その平穏は長くは続かなかった。
地震の影響で、海水温度は急激に上昇――海上では巨大台風が発生した。
銀座には雹が降り注ぎ、押し寄せた高潮は首都圏を飲み込み――新橋駅も轟音とともに崩落した…。
地上では、祐司の兄、静馬率いるハイパーレスキュー隊が懸命の救出捜査活動を続けていた。
祐司の妻、由美は地下に閉じ込められている夫と娘を探そうとするが、自然の猛威が彼女の行く手を阻む。
追い討ちをかけるように巨大台風が接近。
気象予報士たちはレスキュー隊に台風上陸の警告とその場からの撤退を進言した。
いつ二次災害が起きてもおかしくない状態に、とうとう捜査の打ち切りが決定される。
そのとき、音響探知機が地下からの打音。
「2、5、2」
ハイパーレスキュー信号を使って助けを求めている者がいる!
色めき立つ現場に、静馬の声が響き渡った。
「生存者あり!」
救出作戦が開始された。
計画遂行のために許された時間は台風の目に入る18分のみ。
命がけの救出作戦は成功するのか? そして奇跡の生還は叶うのか?
新橋駅地下では祐司ほか4人が閉じ込められてしまった。
行きたいという思い。ここにいる全員を地上に還すため、救助を求めて祐司たちは行動を起こす。
2回、5回、2回と壁を叩く祐司。
それはハンパーレスキューで使われる「252=生存者あり」の信号だった。
地下からの信号は地上に届くのか? そして奇跡の生還は叶うのか?
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原作:小森陽一
監督:水田伸生
脚本:斉藤ひろし
音楽:岩代太郎
撮影:林淳一郎/さのてつろう
出演:伊藤英明/内野聖陽/山田孝之/香椎由宇/ほか
公式サイト
シリーズ史上、最強の敵、登場 只野仁、これが最後の特命か!!!
大手広告代理店、電王堂の総務二課係長、只野仁。
普段はまったくうだつの上がらないダメ社員だが、
その裏には社内外のトラブルを秘密裏に解決する「特命係長」というもう一つの顔があった。
ある日、只野は黒川会長に呼び出され、電王堂が手がける「フラワー・アース・フェスタ2008」のメインキャラクターであるグラビアアイドル、シルビアの護衛と身辺調査を頼まれる。実は彼女は以前から「暗黒王子」と名乗る謎の人物から脅迫を受けており、つい先日も彼女がキャンペーンガールを務める新商品の発表イベントで事故が発生し、もう少しで大ケガを負う危機に直面していたのだ。
幸い、その時は現場に居合わせた只野の活躍で事なきを得たものの、もし彼女の身に何か起きれば、電王堂にとっても大きなダメージとなることは必死。このままでは社運を賭けた「フラワー・アース・フェスタ2008」の開催も危うくなってしまう。只野はイベントの責任者である電王堂大阪支社の山西をサポートしつつ、パーチナーの森脇と共にさっそく調査を開始する。だが、そんな只野の前に謎の大男がたちふさがる。はたして彼の正体は? そしてその背後に潜む巨大な組織の影とは? さらになんと電王堂内部に裏切り物が? 刻々と近づくイベント開催日。このままでは時間がない!! ついに敵を追い詰めた只野がつかんだ、衝撃的な事実とは……?
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原作:柳沢きみお
監督:植田尚
脚本:尾崎将也
撮影:朝香昌男
照明:白石雄二
音楽:中西匡
アクション・コーディネイター:竹田道弘
出演:高橋克典/櫻井淳子/永井大/蛯原友里/田山涼成/ほか
公式サイト
寝静まった夜の町に響き渡る50ccバイクのモーター音。
忙しなく町を駆け回り新聞を配達するヒト、
鼻血を塞き止めながら受験勉強に打ち込むヒト、
バスルームで不発弾を抱え恋煩いに悩まされているヒト、
精神安定剤を飲み眠りにつくヒト、
ミラーボールを抱え稼いだ金を空中にばら撒くヒト、
その金を掴み取り喜ぶヒモ、
そして離ればなれになった二匹の亀…
淡々と切実な日常生活を送る10人の
登場人物たちが 織り成す三日間の群像劇。
ねじれた世界はときおり美しい。
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脚本・監督・編集:池田将
撮影・照明:柏田洋平
録音:柄澤大二郎
美術:飯塚智香/長谷川愛美/上東鷹介
CG:柳沢大佑/豊田知香
音楽:土生裕/萬遊亭
出演:王丹戈/吉武真理子/森岡龍/篠原杏子/池田将
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忘れていた優しさがここにある。
智宏(岡本健一)は住宅展示場に勤務するトップ・セールスマン。客の幸せを第一に考えるその営業姿勢は山口常務(船越英一郎)ら上司や同僚から高く評価されているものの、いつも仕事に追われて夜も眠れない智宏の姿に、妻の絵美(加藤貴子)の心配は募るばかり。
住宅展示場に茂田夫妻がやってきた。妻の美佐子(清水美沙)は、年老いた義父の源次郎(石橋蓮司)を老人ホームに入れて家を建て替えたいと主張するが、夫の洋一(阿部サダヲ)は煮え切らない態度。後日、美佐子の要望に沿った家の図面を持って茂田家を訪れる智宏だったが、意見の対立する夫婦は智宏の前でケンカを始める。その傍らで仲の良さそうな源次郎と孫のタケシの様子を見た智宏の胸に、少年時代の記憶が甦ってくる。
おばあちゃん(菅井きん)は過去に撮影所でかつらをつくったりちょんまげをゆったりする結髪の仕事をしていた。その影響からか智宏は時代劇に夢中。模造の刀を振り回すやんちゃな少年だった智宏を、おばあちゃんは人一倍かわいがり買い物もいつも一緒。商店街の人々は薬局の憲次(宮川一朗太)をはじめ皆いい人ばかりで、特に八百屋の幸太郎(寺島進)は、口は悪いが智宏の切られ役に徹してくれる。でも一番の遊び相手は父の征二(柳葉敏郎)だった。入退院を繰り返す征二は自分に先がないことを自覚していたが智宏は知る由もない。お母さんとおばあちゃんを守るよう語る征二の言葉に無邪気にうなずく智宏。父の看病で母の千恵子(原日出子)はよく家を空けるため、家は智宏とおばあちゃんふたりきりのことが多かった。
そんな思い出に浸りながらも、智宏は相変わらず仕事に没頭する。忙しい合間を縫って息子の雄太の授業参観に行くことを約束するものの、美佐子からタケシがいなくなったと聞いて探しに出かけてしまう。源次郎と公園で遊んでいるタケシを発見した智宏は、祖父と孫の強い絆を目の当たりにし複雑な心境で学校へ急ぐが、既に授業参観は終わっていた。
少年時代、授業参観に来てくれるのは不在がちの母ではなくおばあちゃんだった。いつだって優しいおばあちゃんを、智宏はずっと守ると誓う。そんな中、征二が死んだ。葬式の晩、奥の部屋でひとりからだを丸めて泣くおばあちゃんは、智宏が近づくと力強く抱きしめた。
おばあちゃんががんに冒されていると分かったのは智宏が中学生だった頃。しかし智宏は、入院するおばあちゃんに病名を悟られないよう努めて明るく接する。その日から友人の誘いも断って毎日病院に通う智宏。だが医師から手の施しようがないことを知らされ、おばあちゃんを自宅に連れ帰ることを決める。
智宏はあることを考えた。家族みんなが幸せになる家づくり。それを実現させるために徹夜で家の模型作りに励む。
智宏はおばあちゃんが淋しくならないよう夜を徹して作業し、天井を写真で飾りつける。決してひとりじゃない。そんな智宏の思いやりにおばあちゃんは胸を熱くする。また誕生日には商店街のみんなを呼んでパーティーを開いた。プレゼントは幸太郎の娘・絵美が福引で当てたビデオカメラ。幸せそうなおばあちゃん。この瞬間が永遠に続くように祈る智宏だったが、残された時間はわずかしかなかった。
突然庭に出たいと言い出すおばあちゃんを背負って庭に出た智宏。翌朝、おばあちゃんは息を引き取ったのだった。
茂田家に赴いた智宏は、家の模型を見せながら最終説明をする。すると突然美佐子が源次郎と同居型の家にしてほしいと提案する。嬉しそうにすかさず別の模型を取り出す智宏。それこそが夜な夜な誠意を込めてつくっていた2世帯型の模型だった。
清々しい気持ちで久々に家族3人で故郷の実家へ帰る智宏たちを、千恵子は温かく迎える。そこで智宏は思いがけないものを発見した。それは時間を越えておばあちゃんから贈られた、最高のプレゼントだった・・・。
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原作:なかむらみつる
監督・脚本:榊英雄
脚本:亀石太夏匡
音楽:榊いずみ
出演:菅井きん/岡本健一/柳葉敏郎/原日出子/加藤貴子/ほか
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