石油――それは、欲望という名の《黒き血》…。
アメリカン・ドリームの闇をえぐる、鮮烈な大河ドラマ。
21世紀の《今》を代表する映画監督ポール・トーマス・アンダーソン―― その最新作が生まれた瞬間に『市民ケーン』『ジャイアンツ』と並ぶ《古典的な大作》として大絶賛を浴び、各映画賞を次々と制覇している。
この奇跡の大河ドラマは、20世紀初頭のカリフォルニアを舞台に、しがない鉱山労働者(ダニエル・デイ=ルイス)が石油採掘によって富と権力を手に入れていく姿を描き出す。だが、これは正統なアメリカン・ドリームの物語ではない。むしろアメリカン・ドリームを衝き動かしてきた闇の力――《欲望》を、冷徹なまでの誠実さで赤裸々に描ききった魂の叙事詩である。
大地から噴出す石油は、まるで欲望というなの血のように主人公の魂を毒していく。彼の危険なまでの自立精神は、強欲、誘惑、腐敗、欺瞞といったあらゆる悪徳を糧にして、人との共存が不可能なモンスターと化していく。血塗られた破滅の予感を、密かに漂わせながら…。
「彼抜きではこの映画は成立しない」というアンダーソン監督の念願が叶い、アカデミー俳優ダニエル・デイ=ルイスが主演を快諾。ダークなユーモアと戦慄の狂気を揺れ動く渾身の演技は、映画界にセンセーションを巻き起こしている。まら、革新的音楽グループ、レディオヘッドのギタリストであるジョニ―・グリーンウッドが音楽を手がけ、意外性に満ちたアプローチで作品全編を支配する不吉な予感を増殖させている
監督:ポール・トーマス。アンダーソン
製作総指揮:スコット・ルーディン
音楽:ジョニ―・グリーンウッド
出演:ダニエル・デイ=ルイス/ボール・ダノ/ディロン・フレイジャー/キアラン・ハインズ/ケヴィン・J・オコナー
公式サイト
シカゴのホームセンターで働くスタンレー。家族は、12歳とは思えない程しっかりしている長女・ハイディと、8歳の次女・ドーン、そして陸軍の軍曹で現在イラクに単身赴任中の妻・グレイズ。父がいない時にこっそり戦争のニュースを見るハイディと、毎日母親と同じ時間に互いのことを想うという約束を守るドーン。スタンレーは母親を恋しがる子供たちとなかなかうまく接することができず、ぎこちなく食卓を囲む日々を重ねている。
ある日、グレイスが亡くなったという報せがスタンレーの元に届く。突然の訃報に途方に暮れるスタンレー。幼い娘たちにどう伝えたらよいかわからないまま2人を外食に連れ出すが、真実を告げることができず、衝動的にドーンが以前から行きたがっていたフロリダにある遊園地まで車で行くことにする。
父親の突然の行動を訝しがるハイディと、無邪気に喜びはしゃぎまわるドーン。そして、夜中にこっそり自宅に電話し、妻の声で録音されている留守番電話の応答メッセージを聞くスタンレー。畑でロードレースごっこをし、ホテルのプールで遊び、ショッピングを楽しみながら、フロリダまでの距離と時間を過ごすことで、3人は徐々に絆を深めていく…
遊園地で至福の時を過ごした後、覚悟を決めたスタンレーは浜辺で娘たちと向き合った。
監督・脚本: ジェームス・C・ストラウス
音楽:クリント・イーストウッド
出演:ジョン・キューザック/シェラン・オキーフ/グレイシー・ベドナルジク/アレッサンドロ・ニヴォラ
公式サイト
■ 〈2分先〉の未来が見える男
クリス・ジョンソン(ニコラス・ケイジ)には、〈2分先〉の将来が見える。しかし、それはあくまで自分に直接関係のあることだけ。他人や、世界全体の未来を読むことはできない。
恵みとも呪いとも取れるその稀な才能を、彼は秘密として隠しながら生きることを余儀なくされている。そんなクリスにもってこいの職業が、ラスベガスのマジシャンだった。二流のショーは満場になることもないが、余分な金が必要ならば仕事の帰りにブラックジャックをやって稼げばいい。毎回、あまりにも都合良く勝ちすぎる彼に、カジノのセキュリティは怪しいと疑問を抱き始めているが、クリスはそれを知らない。
そんな彼の頭に、時々よぎる美しい女性(ジェシカ・ビール)の姿があった。あるダイナーに現れるその女性を、クリスは知らない。どうやって彼女と知り合いになればいいのかもわからない。しかし彼は、どうしても彼女に出会いたくて、満たされるかどうかわからない希望を抱きつつ、そのダイナーに通い詰め、昼間にマティーニを飲みながら彼女が現れるのを待っている。
ある夜、いつものようにギャンブルでひと稼ぎし、カジノの換金所で現金を受け取っていたクリスに、突然〈2分先〉の映像が見えた。今、換金所に歩み寄って来ようとしている男は銃で換金係を脅し、現金を奪って逃げて行こうとしているのだ。反射的に、暴力をもってその男を阻止するクリス。だが、ほかの人の目には、その「犯罪」はまだ起こっておらず、悪いのは一方的に男を攻撃したクリスということになる。モニターで事件を目撃したセキュリティはただちにクリスを捕まえるべくカジノフロアに向かう。
■ FBIの依頼
なんとか逃げ帰り、ひと安心していたクリスの家に、思わぬ訪問者が現れた。見るからにタフな女性、カリー・フェリス(ジュリアン・ムーア)は、FBI捜査官だが、さきほどクリスが犯した暴力沙汰で彼を追ってきたわけではない。核兵器を持つテロリストが、ロサンゼルスを爆破しようと企てていることをかぎつけたFBIは、その陰謀を阻止するべく、クリスの協力を得ようとしているのだ。しかし、テロ事件など他人事と考えるクリスには、いかに彼女に説得されても、そんな面倒なことに関わるつもりは毛頭ない。
折しも例のダイナーで、ついに夢の女性に出会い、知り合うことに成功するクリス。女性の名前はリズ、ネイティブアメリカンの子供たちを教える教師だった。クリスのことを変わった男だと感じつつも、不思議な信頼を覚えたリズは、彼と一緒の車でダイナーを去る。クリスを追いかけてカリーがダイナーに到着した時には、ふたりはすでに姿を消していた。
ラスベガスを後にしてまもなく、リズの中にもクリスに対する恋心が芽生える。理想の女性と愛し合う喜びに胸をときめかせるクリス。が、FBIはすぐにふたりの居場所をつきとめた。カリーはこっそりとリズに近づき、クリスが危険な男であると伝え、飲み物の中に薬を入れるように指示をする。意外なことを言われて大きなショックを受けながらも、リズは言われるままにオレンジジュースに薬を混ぜた。しかし、やはりクリスを愛する気持ちを失えないリズは、どたんばでFBIを裏切る。リズを巻き込みたくないクリスは、自分のもつ不思議な才能について告白した上で、いつか絶対にまた会うと約束し、彼女をひとりで逃がす。
■ 核テロリズムVS予知能力
ついに捕まえたクリスに、フェリスはテロリストの行動を読めと強引に迫る。「自分に直接関わりのない未来は読めない」というクリスの声にも、彼女は耳を貸そうとはしない。そんなクリスの頭に、突然、〈2分先〉の映像がよぎった。愛するリズが、テロリストたちの策略に使われたからだ。
もはやクリスにとって、これは他人事ではない。リズの命を救うために、クリスは必死で彼らの居場所を探そうとする。彼の頭に少しずつ浮かび上がるイメージをもとに、カリーが率いるFBIは、詳しい場所を特定しようと懸命に努力。そして彼らはロサンゼルスに向かった。クリスはリズを、そしてアメリカ国民を救うことができるだろうか?
原作:フィリップ・K・ディック
監督:リー・タマホリ
脚本/製作総指揮:ゲイリー・L・ゴールドマン
監督・脚本:キム・テシク
脚本:ジョナサン・ヘンズリー
製作:グラハム・キング/ノーマン・ゴライトリー
製作総指揮:ベンジャミン・ウェイスブレン
撮影監督:デヴィッド・タッターソル
音楽:マーク・アイシャム
美術監督:ウィリアム・サンデル
出演:ニコラス・ケイジ/ジュリアン・ムーア/ジェシカ・ビール/トーマス・クレッチマン/ピーター・フォーク
公式サイト
すべてを捧げた初恋、短くも美しい恋、支え続ける愛――
ラフマニノフの人生を変えた3人の女たち
その夜、カーネギー・ホールは、熱狂的な感動に包まれていた。
ロシア革命を逃れてアメリカに亡命したラフマニノフの、ニューヨークでの初コンサートが開かれたのだ。
時は1920年代、人々は目の前で繰り広げられる音楽の奇跡に、破格の賛辞を贈り続けた。
この日を皮切りに全米ツアーが始まるが、行く先々での大成功とは裏腹に、ラフマニノフは日に日に憔悴していく。
祖国への望郷の念、そして何よりも新しい曲が生まれない苦しみ――妻のナターシャは、そんな夫を支え続ける。
ある日、ラフマニノフのもとに、贈り主不明のライラックの花束が届く。
故郷に咲き乱れるその花の甘い香りをかいだ瞬間、切なくも情熱的な愛の日々が蘇る。
募る想いを込めて交響曲を捧げた年上のアンナ。革命に燃える瞳に心を奪われたマリアンナ……。
花束は届き続ける。いったい贈り主は誰なのか?
愛の記憶に導かれるように、ラフマニノフの心に新たな旋律が生まれようとしていた……。
監督:パーヴェル・ルンギン
出演:エフゲニー・ツィガノフ/ヴィクトリア・トルストガノヴァ/ヴィクトリア・イサコヴァ/ミリアム・セホン/
公式サイト
1965年、ニューヨーク。アンディ・ウォーホルがポップ・アートの旗手としてアンダーグランド・カルチャー・シーンに君臨していた時期、画家を目指し、ケンブリッジ美術学校を退学して1人の女の子がニューヨークにやってきた。彼女の名はイーディ・セジウィック。由緒ある名家で莫大な冨を築き、アメリカでは知らないものはいない“セジウィック家”の令嬢。友人の誘いでギャラリーのパーティに出かけたイーディは、アンディ・ウォーホルを紹介される。名家の令嬢ということだけでなく、人々を惹きつけてやまない美貌とセンスを持ったイーディは会場の人々の注目を集め、周囲には男性が取り巻いていた。そして、ウォーホルでさえも例外ではなく、一瞬にして心を奪われてしまった。
ニューヨークのカルチャーが凝縮されていた“ファクトリー”には多くのアーティスト、詩人、ミュージシャンたちが集まり、前衛的な実験映画が撮影され、後世に残る数々のアートが生み出されていた。ウォーホルのお気に入りとなったイーディはたちまちファクトリーの仲間入りを果たし、ウォーホルの映画のカメラテストを受ける。そして、サンタバーバラで育ち、パパのことをファジーと呼び、亡き兄のことをミンティと呼び、自分自身も精神病院に入っていたことをカメラに向って語った。未だに母親と暮らし、子供の頃は精神衰弱だったウォーホルとの距離が縮まるのに時間はかからなかった。長く美しい髪をピクシー・カットにし、お揃いの金髪に染め、ウォーホルと共にパーティに繰り出していた。2人はいつも一緒に出かけ、電話では他愛もないおしゃべりをし、お互いに欠かせない存在となり、イーディはファクトリーでも中心的存在になっていった。ウォーホルの才能を心から尊敬していた彼女は裕福な知人たちをファクトリーに呼んでは、作品を売る手助けもしていた。
いつもウォーホルのとなりにいる魅力的な女性をマスコミは放っておかなかった。イーディが主演したウォーホルの映画が上映されると同時にメディアの注目を集め“画家と社交界に咲く花”、“アンディ・ウォーホルのミューズ”ともてはやされた。数々のファッション雑誌が彼女を追いかけ、ヴォーグ誌は彼女と契約を結び、イーディの印象的なアイメイク、大きなイヤリング、黒いタイツなど、彼女のファッションスタイル全てが流行となった。もはやウォーホルだけではなく、時代のミューズとなった彼女をウォーホルは“スーパースター”と呼んだ。
しかし、そんなイーディを快く思わない厳格な両親は、ウォーホルに対しても批判的な態度を示すのだった。幼い頃から厳格なだけでなく異常な家庭環境で育ち精神的に不安定だったイーディは次第にドラッグと毎晩繰りひろげられるパーティに身を委ねていった。ある日、大学時代の親友だったシドがニューヨークにやって来た。彼はイーディをある人物と引き合わせるために連れ出す。彼こそが飛ぶ鳥を落とす勢いのロック・スター、ボブ・ディラン(映画の中ではビリーという名前)だった。セレブリティ同士の出会いの瞬間を捉えようと群がるマスコミのシャッター音とフラッシュに包まれながら、イーディの中に新しい感情が生まれていた…。
翌日の新聞には、二人の熱愛発覚の記事が大々的に掲載された。
ファクトリー中に噂は広まり、彼女だけが注目されることへの嫉妬からか、ロック・スターへの嫉妬からか、ウォーホルの態度は急変し、2人の間に歪みが生まれていった。落ち込むイーディの側にいたのは、気まぐれなアーティスト、ウォーホルとは全く違った魅力を持ったボブ・ディランだった。なぜスープ缶を描いただけの画が大金で売れるのかなどとウォーホルに対して批判的な彼は情熱的で、それまで彼女を取り巻いていた人々とは全く違う価値観を持っていた。イーディの心は揺さぶられ、二人は愛し合う。イーディはボブ・ディランをファクトリーに招待し、ウォーホルに引き合わせる。ロック・スターの登場にファクトリー全体が緊張に包まれた。カメラを回すウォーホル、それを見守るイーディ。そしてカメラの前でどこかトゲのある態度をとるディラン。ぎこちない空気が流れるなか、ファクトリーを去ろうとするが、イーディはそんな彼の態度を非難する。ディランはウォーホルの浮ついた世界に浸っている孤独なイーディを現実に連れ出そうとするが、泣き叫ぶイーディの身体は留まったままだった。
ウォーホルにも愛想をつかれ、ディランにも去られてしまったイーディ。
両親からの仕送りも止められた彼女の資金は底をつき、生活が崩れ始める。 ウォーホルはまるでイーディへのあてつけのように、イングリッド・スーパースターという女の子を映画に出演させ、前衛バンドのヴェルヴェット・アンダーグラウンドのプロデューサーとして新しいヴォーカルに、ニコという女性を置いた。ウォーホルとの関係は修復されないまま、イーディはますますドラッグにはまっていき、ついには自宅で火事を起こしてしまう。契約していたヴォーグ誌にも、ファクトリーにも見放され、身も心もぼろぼろになった彼女に手を差し伸べたのは、幼なじみのシドだった。ドラッグ漬けの生活からイーディを救おうとするシドがイーディに見せたのは、ニューヨークに来る前に撮影した1枚の写真だった。その写真の中には、夢と希望に溢れた画家志望の美しい女の子“イーディ”がいた。 イーディはニューヨークの街に飛び出し、どこへともなく、走りだしていった…。
監督:ジョージ・ヒッケンルーパー
出演:シエナ・ミラー/ガイ・ピアース/ヘイデン・クリステンセン/ジミー・ファロ/ショーン・ハトシー
公式サイト
社交界での注目を浴びる裕福な名家、ウィルハーン家の一人娘として生まれたペネロピ。ウィルハーン家には古くから言い伝えがあった。5代前のラルフ・ウィルハーンは使用人のクララに手を出し、妊娠させてしまったが、彼女を捨てて、名家の娘と結婚。悲しみのあまり、クララが崖から身を投げた夜、クララの母親が魔女となって屋敷に姿を現した。一家に復讐するため、「次に生まれる娘は豚の鼻と耳になれ」と呪いをかけに来たのだ。「この呪いを解く方法はただひとつ。お前たちの“仲間”が、娘に永遠の愛を誓うこと」。幸運にも5代にわたって、ウィルハーン家に生まれたのは男の子ばかりだったが、その後、初めて生まれた娘が、ペネロピだったのだ。
豚の鼻と耳をつけたペネロピの誕生で、誰よりも苦しんだのは母ジェシカだった。娘をマスコミと大衆の目から守るため、ジェシカはペネロピを死んだことにして、ウソの葬式をおこない、火葬した。大衆は悲劇の子供の死を悼み、ペネロピは無事に世間の目から隠された。以来、ペネロピはいつも屋敷の中だけで過ごすことになった。呪いを解く男性にふさわしい女性になるようにと、ペネロピはジェシカから完璧な花嫁修業を受けて育つ。ペネロピが18歳の誕生日を迎えると、ウィルハーン家の“仲間”、つまり名家の人間がありのままのを愛せば呪いは解けるはず、と、何人もの花婿候補とお見合いを続けさせられるペネロピだったが、彼女の顔をひと目見た求婚者たちは、恐怖に叫んで、逃げ出すのがお決まりのパターンだった。そして彼らは例外なく、帰る前に屋敷に連れ戻され、口止めの契約を結ばされた。
そんなお見合いを7年も繰り返していたある日、ジェシカたちはうかつにも求婚者の一人、ヴァルダーマン家の息子エドワードを取り逃がしてしまう。彼は警察に駆け込み、「豚人間を見た!」と訴えるが、逆に“ヴァルダ-マン家の息子の妄想癖!”という記事が新聞に大きく掲載されてしまう。エドワードは名誉挽回のため、昔からペネロピのスクープを追っていた記者rレモンと組んで、証拠となるペネロピの写真を何とか手に入れようとする。「誰かを雇って、スパイとしてお見合いに送り込もう!」とひらめいたレモンの目にとまったのが、名家の生まれだが、今は落ちぶれたギャンブラーに成り下がってしまった青年マックス。ポーカーにはまっているマックスは、5000ドルに報酬につられて、レモンたちの仕事を引き受ける。
隠しカメラが仕込まれたジャケットを着せられて、屋敷に向かい、ペネロピとマジックミラー越しの不思議なお見合いをするマックス。自然体の彼に、今までの求婚者たちの誰とも違うものを感じたペネロピ。マックスもまた、ペネロピと過ごす時間、彼女との会話に心惹かれていく自分を感じていた。3回目にあった日、ついにペネロピはマックスの前に姿を現す。一瞬驚きながらも、マックスがペネロピの顔に優しく触れようとした瞬間、カシャッ! とカメラのシャッター音が鳴った。ジャケットの隠しカメラが作動してしまったのだ。レモンたちのところに戻ったマックスは「彼女は化け物じゃない!」とカメラを渡す前に、地面にたたきつけて、粉々に壊してしまう。スパイだとばれてしまったマックスは、もう一度、ペネロピに会いに行き、真実を告白しようとするが、それをさえぎってペネロピは必死の思い出プロポーズする。「もし呪いが解けなかったら?」と尋ねるマックス。「そのときは死ぬわ。ぜったい約束する。私と結婚して」。苦しそうな表情をしたマックスの返事は「できない」だった……。
1000回分の失恋に襲われたペネロピを励まそうと、母ジェシカの花婿探しにますます拍車がかかる。この悪夢のお見合いが永遠に続くのかと思われたとき、ペネロピは決意した。家族から自由になり、自分の人生を思い通りに生きてみよう! ある晩、マフラーを巻いて鼻を隠したペネロピは、ついに一人で屋敷を飛び出した。初めて経験する外の世界で、ペネロピを待っていたものは――。
監督:マーク・パランスキー
製作:リース・ウィザースプーン/スコット・スタインドーフ/ジェニファー・シンプソン
脚本:レスリー・ケイヴニー
出演:クリスティーナ・リッチ/ジェームズ・マカヴォイ/リース・ウィザースプーン
公式サイト
この物語の舞台はイギリス、オックスフォード。
でもそこは、私たちの住む世界と
“とてもよく似ているが、どこか異なる”パラレルワールド。
ここでは誰もが動物の形をした自分の分身と共に生きていて、
それをダイモンと呼ぶ。
幼いころに両親を亡くし、オックスフォード大学の
ジョーダン学寮で育てられた12歳の少女ライラ。
彼女のダイモンであるパンタライモンと一緒にお転婆をしては、
いつも大人たちを困らせていた。
そんなライラの毎日が一変する事件がおこる。
謎の組織によって子供たちが次々と連れ去られ、
親友ロジャーまでもが姿を消してしまったのだ。
謎の組織の秘密が、はるか遠い北の地にあることを知るライラ。
ロジャーと子供たちを救うため、真実を示す
《黄金の羅針盤》を手に北へと旅立つ。
ジプシャン族、魔女、そして鎧グマ・イオレク。
多くの出会いを重ねながら、ライラの冒険は続いていく。
しかし、彼女はまだ知らない。
行く先に、世界中を巻き込む戦いが待ち受けていることを。
そして、彼女自身に全人類の運命がかかっているという事も。
監督:クリス・ワイツ
原作:フィリップ・プルマン
出演:ダコタ・ブルー・リチャーズ/ニコール・キッドマン/ダニエル・クレイグ/エヴァ・グリーン/サム・エリオット
公式サイト
極寒の凍てつく大地。見渡す限り雪に囲まれたロシアとフィンランドの国境近くの孤児院に、遠くイタリアから一組の夫妻がやってくる。その来訪に色めき立つ子供たち。孤児院には多くの少年少女が暮らすが、生活は貧しく、身寄りもない。彼らがそこから抜け出る唯一の方法、それは裕福な養父母に引き取られていくことだと判っているのだ。
院長室からお声が掛かったのは、6歳のワーニャ。普段から仏頂面で言葉少ななその少年は突然の幸運に戸惑うが、イタリア人の夫婦は彼を気に入り、養子に引き取る事を決める。その光景を、選ばれなかった子供たちは羨望と嫉妬の目で見つめ、養子になる年齢を逸した年長の少年少女は温かい目で見守りながらも、寂しさを感じていた。
イタリア人夫妻を連れてきた養子縁組の仲介業者であるマダムと院長の間では、金銭のやり取りがなされていた。貧しい孤児院にとって、子供を養子に出す手数料が大きな収入なのだ。子供を売るような行為に後ろめたさを感じながらも、背に腹は変えられない院長は、マダムに次の養子候補の子供たちを紹介する。
正式な手続きがなされた再来月に、イタリアへ引き取られて行く事が決まったワーニャ。周りは彼の事を“イタリア人”と呼んでからかう。しかし当の本人は今ひとつ実感が沸かない。外国人に引き取られるのは臓器移植のためという悪い噂も聞く。かつて孤児院で仲良しだったムーヒンも養子に引き取られたが、今は元気にしているのかどうかも分からない。
そんなある日、突然ムーヒンの母親が孤児院に現れる。捨てた息子を探しに来たというのだ。激昂し、追い返す院長。院を後にする彼女を、子供たちは好奇の視線で見つめる。帰りのバスを待つムーヒンの母親に偶然呼び止められたワーニャは、ムーヒンの院での生活や彼を引き取った養父母の事を聞かれる。「ある日、ふと気付いたの。もう私にはあの子だけだって」涙ながらに語る彼女の言葉を聞くうち、ワーニャの心に今まで意識しなかった“ほんとうのママ”の存在が芽生える。
もしかしたら養子に行った後、自分のママも探しにくるかもしれない。そのとき、孤児院は居場所を伝えてくれるだろうか? 養子にいくことは本当に幸せなのか? ムーヒンだって養子にいかなきゃ、ママに会えた。「やっぱり、ほんとうのママがいい」面倒見のいい少女ナターハに気になり始めたことを相談するが、馬鹿な事を考えずにイタリアへ行くべきだと諭される。
ムーヒンの母親が自殺したという報せが孤児院に入り、ママへの想いは日増しに強くなっていく。なんとかママの手掛かりを見つけたいワーニャは、資料室に出生記録が保存してあることを知るが、肝心の文字が読めない。売春で金を稼ぐ年上の少女イルカに「金と交換で字を教えてあげる」と言われたことを真に受け、院を陰で牛耳る不良グループの金をごまかして盗もうとする。理由を知ったグループのリーダー、カリャーンは、自分が母親に虐待され捨てられた過去を明かし、黙ってイタリアへ行く方が幸せだと薦める。
同情したソニアの教えで、字の勉強を始めるワーニャ。独学ながらも毎日一生懸命に取り組み、見る見るうちに文章が読めるようになる。そして遂に院長から鍵を盗み、資料室へ入り込むことに成功する。しかし資料に載っていたのは「両親なし」の情報だけ。だが、前にいた別の街の孤児院の住所が分かり、そこへ行けば何か分かるかもしれないと考える。
ワーニャがイタリア行きに悩んでいることを友人のアントンが院長につい漏らしてしまい、それを聞いたマダムが血相を変えてやって来る。もし縁組が破談すれば、大金を失うのだ。養子に行かなければ更正させるための特別施設へ連れて行くと脅され、涙ぐむワーニャ。院長からも養子に行く方が絶対に幸せで、この機会を逃すなと説得される。迎えが来る明日まで監禁される部屋の窓から外を寂しく眺めるが、ママへの想いは募るばかり。
霧が立ち込める早朝、ワーニャはイルカの声で目を覚ます。院を脱走して、ママを探しに行こうと言うのだ。凍てつく寒さの中、二人は院の門をくぐって駅への道を急ぐ。二人の脱走に気付いたマダムとその屈強な用心棒グリーシャ、院長が車で後を追ってくる。イルカと別れ、ひとり列車に乗り込んだワーニャは、はたしてママに会うことができるのだろうか……。
監督:アンドレイ・クラフチューク
脚本:アンドレイ・ロマーノフ
出演:コーリャ・スピリドノフ、マリヤ・クズネツォーワ、ダーリヤ・レスニコーワ、ユーリイ・イツコーフ、ニコライ・レウトフ
公式サイト
アレックス・ライダー(アレックス・ペティファー)は地味な銀行員である叔父と一緒に住む、普通のティーンエージャーだった…。
ある日、伯父のイアン・ライダー(ユアン・マクレガー)が謎の事故死をとげた事をきっかけに、実は叔父が英国諜報機関MI6の二重諜報員で、殺されたと知る。
MI6の特別作戦局のミスター・ブラント(ビル・ナイ)とジョウンズ夫人(ソフィー・オコネドー)によってMI6にスカウトされたアレックスは、伯父がアレックスに趣味を奨励することで、スパイになる準備をさせていたことを悟る。武道、外国語、スキューバダイビング、山登り、射撃とアレックスは完璧な10代のスーパー諜報員になれるものを備えていたのだ。これらの技と特別な武器を携えて、彼は最初のミッションへと旅立つ。
監督: ジェフリー・サックス、 アンソニー・ホロヴィッツ、 アンドレアス・シュミット
撮影監督: クリス・シーガー (イギリス映画撮影監督協会)
出演: アレックス・ペティファー、ユアン・マクレガー
公式サイト
1961年4月17日、アメリカの支援を受けた亡命キューバ人の部隊が、カストロ政権の転覆をもくろんみ、ビッグス湾に上陸。だが、CIA内部の情報漏れによって作戦は失敗、CIAは窮地に追い込まれた。3日後、作戦の指揮を執ったベテラン諜報員エドワード・ウィルソン(マット・デイモン)のもとに、1本のテープが送られてくる。録音されていたのは、 同封の写真の男女がベッドで交わした会話だった。何かに脅えている様子の男と、そんな彼を「私といれば安全」となだめる女‥‥‥。彼らの声に、CIAの内通者と敵側スパイの臭いを嗅ぎ取ったエドワードは、部下のレイ・ブロッコ(ジョン・タトゥーロ)を通じて、技術部にテープと写真の分析を依頼した。その結果が、自分と家族にどれほどの衝撃をもたらすかも知らずに‥‥‥。
監督・製作:ロバート・デ・ニーロ
脚本:エリック・ロス
出演:マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー、ロバート・デ・ニーロ、ビリー・クラダップ、ウィリアム・ハート、ジョー・ペシ、ジョン・タトゥーロ、マイケル・ガンボン、アレック・ボールドウィン
公式サイト
トレーシー(ニッキー・ブロンスキー)はダンスとオシャレに夢中な女子高生。ボルチモアで最高にホットなTV番組「コーニー・コリンズ・ショー」を親友ベニー(アマンダ・バインズ)と一緒に見ることが日課だった。
夢はこの番組のレギュラーになって憧れのリンク(ザック・エフロン)と踊ること。
でも、彼女にはひとつだけBIGな問題があった。それは彼女のサイズがBIGだということ!
でも、そんなことは一向に気にする様子もなく明るく前向きな毎日を生きていた。
ある日、メンバーのオーディションが開催されることを知ったトレーシーは大喜び。母親のエドナ(ジョン・トラヴォルタ)の反対にあうも、父親のウィルパー(クリストファー・ウォーケン)に「夢を追ってBIGになれ」と励まされ、学校を休んでオーディションに飛び込み参加する。ところが、メンバーの中心的存在アンバー(ブリタニー・スノウ)のステージママであり、番組の実権を握るベルマ(ミシェル・ファイファー)に体よく追い払われてしまう。
一度は諦めかけたトレーシ−だったが、高校のダンスパーティーでコーニー・コリンズ(ジェームズ・マースデン)の目にとまり、見事、メンバーの座を獲得。
憧れのリンクに見初められたり、街の人気者になったり、Lサイズファッション店のイメージガールに抜擢されたりと、スター街道をばく進する。何よりTVで活躍する娘の姿に刺激され、外の世界に踏み出す勇気を得たエドナの変化が嬉しいトレーシーだった。
トレーシーとエドナの幸せが面白くないベルマとアンバーは、あの手この手でトラブルを仕掛けてくる。家族の絆や仲間たちとの友情によって何度も難を逃れるトレーシーだったが、ダンスを通じて親しくなったシーウィード(イライジャ・ケリー)やメイベル(クイーン・ラティファ)らとともに人種差別反対デモに参加したことから、ベルマの通報によって警察に追われる身となってしまう。
その頃、「コーニー・コリンズ・ショー」では人気投票による「ミス・ヘアスプレー」のダンスコンテストが行われていた。トレーシーが身を隠している間に、着実に票を伸ばすアンバー。しかも、コンテスト会場はベルマの策略によって警察に包囲されてた。だが、トレーシーは家族や仲間たちの力を借りて何とか侵入に成功!果たして「ミス・ヘアスプレー」の栄冠は誰の手に?
そして誰も想像できなかった最高にハッピーな結末とは?
監督:アダム・シャンクマン
脚本:レスリー・ディクソン
出演:ジョン・トラヴォルタ、ニッキー・ブロンスキー、アマンダ・バインズ、クリストファー・ウォーケン、ザック・エフロン、イライジャ・ケリー、クイーン・ラティファ、ミシェル・ファイファー、ブリタニー・スノウ、ジェームズ・マースデン
公式サイト
国立孤児院にわけあって預けられている少年クンデルは、将来、詩人になりたいと思う多感な子供だったが、先生から怒られ、他の子供たちとも仲良くしようとしなかった。そんな場所を嫌ったクンデルは、孤児院を抜け出し、母親がいる町に帰ることを決心する。だが、家に帰ってみると、母親は見知らぬ男とベッドで寝ていた。
母親の愛を渇望しながらも、町の男たちと乱れた生活をしているる母親の姿に嫌悪したクンデルは、一人で生きて行く決意をして、町はずれの川べりに打ち捨てられた艀舟に住みつく。集めたあき缶や屑鉄を売って生活している彼に、町の大人たちは同情的なまなざしを注いでいるが、クンデルは頑としてほどこしを受けようとはしない。
そんなある日、艀舟で寝ていると一人の少女がクンデルの前に現れる。艀舟のそばにたたずむ裕福な家の子である彼女も、美しく賢い姉に対する劣等感や、誰にも愛されないと思う気持ちをアルコールで紛らわせていたのだった。幼い心に癒やされない寂しさを抱える二人は、お互いを気遣いあって絆を深めていくが、クンデルには悲しい現実が待っていた・・・・
監督・脚本・編集:ドロタ・ケンジェルザヴスカ
出演:ピョトル・ヤギェルスキ/アグニェシカ・ナゴジツカ/エディタ・ユゴフスカ/パヴェウ・ヴィルチャック
公式サイト
ちょっと変わり者だが超一流の腕前を持つ天才シェフ、グレゴア。彼は南ドイツの保養地で小さなレストランを営んでいる。舌の肥えた食通たちにも一目置かれる“官能料理”ことエロティック・キュイジーヌが店の看板だメニューだ。彼は休憩時間に訪れるカフェで、ウエイトレスのエデンと知り合った。エデンは夫クサヴァー、レオニーというダウン症の娘とともにこの町に住んでいる。
公演の池に落ちてしまったレオニーをグレゴアが助けたことがきっかけで、グレゴアはレオニーの5歳の誕生日に手作りのプラリネをのせたチョコレート・ケーキをプレゼントする。プラリネを一口食べたエデンは呆然となり、一瞬にしてその味のとりこになってしまう。「まるで楽園にいるような味……」
ある夜、グレゴアがひとり厨房で料理の試作をしていると、突然エデンがやってくる。グレゴアの料理が食べたいというエデンに苛立ちながらも料理を供してやるグレゴア。一皿をぺろりと平らげてしまったエデンは、グレゴアが席を外した隙に猛烈な勢いで鍋ごと食べつくし、こっそりと厨房を出て行ってしまう。翌日カフェを訪れたグレゴアはエデンの絶賛を聞いて喜びを感じるのだった。二人は親しくなり、エデンは夫が仲間たちと出かける毎週火曜日に、レオニーと共にグレゴアの厨房を訪ねるようになった。グレゴアもまた、エデンとの会話と、彼女に料理を食べさせることが楽しみになっていた。
グレゴアは、エデンをもっともっと喜ばせてあげたいという思いからこれまでよりさらに美味しい料理を生み出し、客達を圧倒してゆく。厨房にエデンの写真をこっそりと飾り、それを見ながら料理を作るグレゴア。彼の作るエロティック・キュイジーヌを味わうようになったエデンもまた、心身ともに充実した日々を過ごし夫との愛を深めてゆく。
ある日、夫クサヴァ―の友人たちはグレゴアとエデンの密会をクサヴァ―に告げ口する。グレゴアを知るためにレストランを訪れたクサヴァ―もまたエロティック・キュイジーヌに魅了されるのだった。エデンの心をグレゴアから引き離すため、クサヴァ―は家族をパリ旅行に連れ出す。ミューズを奪われたグレゴアはすっかり意気消沈、料理の味も衰えてしまう。そんなグレゴアを聲亜の給仕者ルートヴィヒは冷たい視線を浴びせ批判する。
ある日、エデンは妊娠したことに気づく。レオニーの誕生以降、ずっと望んでいた待望の第二子……。大喜びのエデンとクサヴァ―だったが、クサヴァ―の友人たちはお腹の子の父親はグレゴアではないかと陰口を叩きあう。それを偶然耳にしたクサヴァ―は仲間たちと大喧嘩。怒りが収まらないクサヴァ―は、グレゴアのレストランに忍び込み、セラーのなかのワインを全て粉々にしてしまうのだった。ワインセラーは最も価値ある財産だったため、銀行に融資を打ち切られたグレゴアは、店をたたまなくてはならなくなった。グレゴアはエデンには何も言わず町を去る決心をするのだが…。
監督・脚本:ミヒャエル・ホーフマン
出演:ヨーゼフ・オステンドルフ シャルロット・ロシュ デーヴィト・シュトリーゾフ マックス・リュートリンガー
公式サイト
アメリカの田舎町。仕事中に酒を飲んでまたクビになった男がいた。彼の名はヘンリー・チナスキー。言葉を誰よりも愛する“自称”詩人。いつか“作家”になるかもしれない、飲んだくれ。住む家もないし、お金もない。運送業、タクシー運転手、ピクルス工場…、何をやっても続かない。原稿を出版社に送ってもいっこうに相手にされない。あるのはただ、わき上がる言葉だけ。でも、“作品の価値を最後に決めるのは作家自身だ”そう信じてチナスキーは、今日も原稿をポストに放り込む。
ある日いつものようにバーで飲んでいたら、女に出会った。名前はジャン。わずかなお金でまずい食事を食べながら、二人して毎日飲み続けた。あしたのことなんて何一つ見えない、酒とセックスだけの日々。
どうにもならなコトだらけ。でも、どんなにミジメで冴えない日々でも、いつだって太陽は毎日昇る。チナスキーには言葉がある。それはろくでなしのチナスキーをほのかに照らす、たったひとつの優しいひかり。そのひかりはいつしか、ちょっぴりの希望と温もりを、チナスキーに与えてくれるのかもしれない…。
監督:ベント・ハ-メル
制作・共同脚本:ベント・ハ-メル ジム・スターク
原作:チャ-ルズ・ブコウスキー
撮影監督:ジョン・クリスティアン・ローゼンルンド
編集:パル・ジェンゲンバッハ
音楽:クリスティン・アスビョルンセン トルド・グスタフセン
出演:マット・ディロン ディディエ・フラマン エイドリアン・シェリー リリ・テイラー フィッシャー・スティーヴンス カレン・ヤング
公式サイト
愛するほどに傷ついて、傷つくほどに愛を求めて―――
森の彼方の国で出逢った、女と男の魂に突き刺さる物語
突然、姿を消した恋人ミランを見つけるため、ジンガリナ(アーシア・アルジェント)は親友のマリー(アミラ・カサール)と共にミランの故郷トランシルヴァニアへと旅立つ。ミランの実家にたどり着くが、家族は引越した後だった。悲しみにくれるジンガリナを音楽が勇気づける。ミランがミュージシャンだったため、ロマの楽士たちにミランを知らないか尋ね、ついにジンガリナはミランを見つけ出す。しかし、ミランには、もはや愛情のかけらさえ無かった。
絶望に打ちひしがれるジンガリナ。彼女はミランの子を身ごもっていたのだ。
祭りの喧騒の中、泣き叫ぶジンガリナをマリーが大声を出して呼ぶ。マリーはジンガリナが心配でならない。彼女のことを愛しているのだ。だが、ジンガリナはこの異国の地で何かを見つけ再生することを求め、マリーと決別する。
荒涼とした大地をジンガリナとジプシーの少女バンダナが歩いている。傷ついたジンガリナをバンダナが慰める。そんな二人をチャンガロ(ビロル・ユーネル)が見つけ声をかける。しばらくして、バンダナは追いかけるジンガリナを残し去って行った。
チャンガロとジンガリナ、二人の旅が始まる。
体の中に悪魔がいると思い込んでいるジンガリナにチャンガロは悪魔払いの儀式を手配する。白い衣裳を身にまといジンガリナの頭の上からミルクがかけられ、身も心も清められた。二人で暮らしていても何も過去を話さないジンガリナに、チャンガロは時に挑発しケンカもするが、彼女をいつも見守っている。
雪の大草原を車を走らせている時、ジンガリナが産気づいた。あたりには人の気配もなく、チャンガロは必死に助けを求め続けると馬車を走らす村人に出会えた。親切な村の女たちがジンガリナの出産を手伝いに来た。だが、不安と恐怖からジンガリナは泣き叫びチャンガロに助けを求める。
無事、出産を終えたジンガリナと生まれたての赤ん坊がいる部屋にどうしてか入れないチャンガロ。ジンガリナは車で去っていくチャンガロを窓辺でだまって見つめていた。
チャンガロは自らのために楽士たちに演奏を頼み、音楽と酒に身を浸す。彼の様子は、迷いと苦しみに満ち、途方もなく切ない。楽士たちは、ついにいたたまれなくなり「音楽は生きるための力だ。苦しむためじゃない」と言い、チャンガロを残し去って行く。
小さな酒場で飲み続けるチャンガロは、ついに何かを決心したように、ジンガリナと赤ん坊がいる部屋に戻るとそこにはもはや彼女はいなかった。随分と長い間、チャンガロは留守にしていたのだ。
ある日、チャンガロはジンガリナを見つけた。赤ん坊と眠る彼女はまるで聖母マリアのようだ。
監督・脚本・音楽:トニー・ガトリフ
撮影:セリーヌ・ボゾン
編集:モニック・ダルトンヌ
音楽:トニー・ガトリフ、デルフィーヌ・マントゥレ
配給:日本スカイウェイ
出演:アーシア・アルジェント アミラ・カサール ビロル・ユーネル
公式サイト